コジマ電気店舗一 覧
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null「わかります、わかります。しかしまあ、今日は本官と共に、急いで頂きたい」  俄《にわ》かに威圧的な声になった。その時初めて竜太は、自分が警察にとっておもしろからぬ人物と見なされているのではないかと気づいた。 「必ずすぐに終るんですね」  竜太は念を押さずにはいられなかった。 「終る筈です」  いつもの顔馴じみの巡査部長とは思えぬ声だった。  いたし方なく竜太は、巡査部長と肩を並べて駐在所に向かって歩き出した。  駐在所までの一キロ近い道が、竜太にはひどく遠く思われた。何を調べられるのかも心配だが、日直の教師が時計を見い見い、自分を待っている姿が思われて、気が気でなかった。なぜ一、二分ですむ日直者への連絡を、この巡査部長は許してくれないのか。もし許してくれれば、芳子への言《こと》伝《づて》も頼み得る筈なのだ。日直者を何分待たせることになるのか。竜太は自然無口になって歩いて行った。  ようやく駐在所に着くと、竜太は奥の四畳半の部屋に入れられた。本署の署員が待っていると聞かされたが、意外に若い私服の男が二人その小部屋の中にあぐらをかいていた。 「北森竜太をつれて来ました」  巡査部長が言った。 「ご苦労」  上席らしい刑事がよく光る目で、竜太をじろりと一《いち》瞥《べつ》した。竜太はいやな気がした。今まで、このような目で人を見る人間に、竜太は会ったことはない。 「あのう……」  おずおずと竜太は口をひらいて、 「何かお尋ねになりたいことがおありとか……」  その刑事はあごのあたりを二、三度撫でてから、 「話は本署に行ってから聞く」